「町の本屋」の挑戦 〜千駄木往来堂書店〜

こんにちは。鈴木です。
WYP vol.0を2月に発売開始してから約4ヶ月。北は秋田から南は香川まで、WYPの取扱店舗数は最近、20店舗近くなってきました。

この活動を始めてから、本屋について色々調べ、以前に比べずいぶんたくさんの本屋を知るようになりましたが、日本にはこんなに個性溢れる面白い本屋はあるんだなー、と素直に驚いてます。

しかも、雑紙の供給側としてその本屋の方々と接することができるなんて、とても新鮮かつ貴重な経験で、これだけでもこの活動を始めて良かったなと思うのです。

さて、そんなWYPですが、SPBSと並びWYPを最初に取扱開始頂いた書店が、今回紹介する往来堂書店です。

言わずと知れた、元祖文脈棚で有名な往来堂。
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私たちの活動拠点である楽し荘(入谷)から自転車で15分というロケーション。

WYPを置いて頂く書店を探す際、単純にその書店が好きか、雰囲気・客層の面でWYPとの相性はどうか、などの視点で考えていますが、往来堂はその理念に感銘を受けたのが一番の理由でした。

書籍売上不振、大型書店・チェーン店の台頭が著しい中、「町の本屋の復権」を目指し、『脱(マス)雑紙』、『脱(公約数的な)配本』、『脱立地(脱地域性)』というスタイルを公言し、挑戦を続ける往来堂。
実際に店舗に行った際には、お客さんのニーズに合わせた選書、だけど流行を単純に追うことは決してしない、書いてみると単純だけど、書店として基本的なことにしっかりと力を入れている誠実な本屋なのだと感じました。

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外見だけを見ると、往来堂は、どこにでもあるような普通の「町の本屋さん」です。

ですが、各棚ごとの担当者による徹底された棚作りがされている一方、町の本屋特有の、気軽に立ち寄りやすくてやわらかな雰囲気があるのです。だから、老若男女の周辺住民に重宝されるのと同時に、遠方からもその魅力的な棚作りに惹かれお客さんがやって来ます。

最後に、往来堂で取り扱われていて個人的に気に入っている文庫本葉書(book pick orchestra提供)について。これは、文庫が絵はがき風デザインの包装紙に包まれ、それを実際にポストに投函して相手に送れるという商品。面白いのが、中に入っている本がわからない代わりに、裏面に、中に入っている本の文中のある一節が書かれている点です。贈る相手が気に入りそうな一節を想像し、ポストに投函して郵便で相手にプレゼントするという遊び心ある文庫商品なのです。
往来堂に立ち寄られる際は、この文庫本葉書も見てみてください。
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