『インド経済の基礎知識―新・経済大国の実態と政策』
こんにちは。WYPの川口です。 今日はこれからインドについて勉強する人が最初に読むべき一冊をご紹介します。 まず注目すべきは発行年月日。 そして発行元。 では、内容を見ていきましょう。 これからインドを勉強する人が最初に知りたいのは、やはりインド経済全体を俯瞰してみたいはずです。と思いながら本書をめくると、第一章は「浮上するインド経済」。インド経済全体を俯瞰しつつ、これまでの経済発展は如何にしてうまれたのか、その理由が大まかに理解できます。 さて、全体像が掴めたところで次に気になるのはインドの主要産業ではないでしょうか。本書には当然それも載っています。第二章で消費ブームを支える自動車産業について、そして第三章でITサービス、製薬産業についてです。いずれも所々にグラフが引用され、理解しやすい書き方がされています。 ここまで読んだ読者は、全体像を掴み、インドの主要産業とインドを学ぶに当たって抑えなければならない当然のものを学びます。そしていよいよここから徐々にインドの深いところへ入っていきます。 第四章「エネルギー消費大国インド」では、今日本でも話題となっている「電力」について触れられます。有力企業が自家発電しているのが当たり前なインド。なぜインドでは度々停電が起こり、電力会社はちゃんとした経営ができないのか、その謎に迫ります。インドでは「盗電」が頻発しているという驚きの(いや、インドらしい)事実も書かれています。 そしてインド自体について詳しく知ったところで、第五章では「貿易自由化政策の推進とFTA戦略」と、第六章「「残された巨大市場」への直接投資」では、インドと海外の関わりについて説明されていきます。インドについてにわか詳しい人がいても、ここまで知っている人はなかなかいないはずです。 貿易の自由化が進むインド。一体インドと日本は、インドと世界はどんな関係になっていくのか。多少難しい部分はあるものの、大まかにはその関係性を掴むことができます。 とまあここまで紹介してきましたが、そこまでインドにのめり込みたくない人には、若干とっかかりづらい印象があるでしょうか。そんな人は是非、本書のコラムを読んでみてください。「インド人はなぜ親日なのか」、「インドで生活するにあたり注意しなければいけないこと」などなど、誰でも楽しめる小話も、ちゃんと用意されています。 インド経済の教科書的存在。ここからインドを知りましょう。 |