東南アジアで出会った本屋さん・タイ篇1〜Passport Bookshop〜

こんにちは。今年2月に会社を辞めたWYP鈴木です。

先月まで2ヶ月間東南アジアを旅していて、いくつか素敵な本屋さんを見つけたので、何回かに分けて紹介します。

はじめに少し全体的な話をしてしまうと、個人的にはバンコク、シンガポール、あとは(東南アジアではないけど)韓国・ソウルの本屋が、お店作りにしてもイベント企画にしても自由にいろんなことをやっていて面白かったです。
工場跡地を本屋兼カフェにして中庭で映画祭を開催する本屋、地元の無名作家の小説やエッセイを自費出版する本屋、出版活動だけでなく積極的に海外にも進出する本屋。もうほんと自由です。そして、各店舗に共通しているのはオーナーの個性が思いっきり出ているという点。

正直、WYPの国内営業を通じて日本の個性的な本屋をたくさん見てきたので、「うわーいいな!」と思う本屋と出会うのを出発前はあまり期待していませんでした。が、完全に世間知らずでした。日本とは異なる進化を遂げている各国の本屋のレベルの高さに驚きました。「うわーいいな!」と何回も思いました。近所にあれば毎週行きたい、と真剣に思った各国の本屋さんをこれから紹介していきます。

まず最初に紹介するのは、バンコクの「Passport Bookshop」です。
4〜5年前から独立系書店が増えてきているというタイの首都バンコク。その中でも、Passport Bookshopは2001年創業として最も老舗な独立系書店の一つです。世界中のバックパッカーの聖地として有名なカオサン通りから徒歩10分の位置にあり、その特徴は店名からも想像できる通り“旅の本屋”。
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2階建てのこじんまりとした店内には、旅好きでもあるオーナーがセレクトしたタイ国内・海外の旅に関するエッセイやガイドブック、雑誌、そして海外の小説などが本棚にとても几帳面に陳列されています。(扱っている本の多くがタイ語ですが、一部英語の本もありました)。
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この本屋の一番の印象は、とことん旅心に溢れた店内の雰囲気作り。
陳列されている本はもちろんのこと、世界中から集められた雑貨や伝統工芸品、ランドスケープ写真、世界地図、アーネスト・ヘミングウェイの肖像画、などなど。
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そして一際目を引いたのが、いろんな言語で書かれたポストカードや手紙、写真が壁にたくさん貼られている店内のある一角。よく見ると日本語の手紙も。

「以前このお店に訪れた人たちが各地から送ってきてくれるんだ」

と教えてくれるオーナー。
いっぱいあるなー、と思いながら見ていると、

「貼りきれなくてあそこにも保管してるんだ」

と言いながら指差す先には、ポストカードや手紙がぎっしりと詰められた大きな瓶が本棚の上に3つくらいある(!)。一つ一つのポストカードについて嬉しそうに語るオーナーと壁の写真やポストカードを見ながら、10年以上前から世界中の旅人に愛されてきたPassport Bookshopの歴史を感じました。
日本にも旅系の本に特化した本屋はありますが、ここまでいろんな国から訪れた旅人に愛されている本屋は稀少なんじゃないかな、と思います。

日本への帰国前日に寄った際には、「これ、持って行きな」とヨーロッパを旅した写真家による個人出版の写真集とお店特製ノートをくれるオーナー。
「中身はタイ語だけど、写真集だから楽しめるだろう」と笑顔で言うオーナーと話していた時、またここに来たいという想いがこみ上げてきました。なんとなく、この本屋が世界中の旅人に愛される理由がわかったような。
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最後に宣伝ですが、嬉しいことにこちらの本屋でWYPを扱ってもらえることになりました(無事納品も完了しました!)。バンコクでは次回紹介する「Candide Books」含めて2店舗でWYPを取り扱ってもらっています!

それではまた。