インド現地取材日記7日目(9/23)「結局インドはどうだったのか。」

あっという間にインドに行ってから1ヶ月が過ぎました。

改めてあの1週間を思い出してみると、正直に言って「辛かった」のが一番の感想です。

なにせ、インドという国がもともと「汚い、臭い、うるさい」の三重苦があり、他国に比べて比較にならないほど「いるだけ」でストレスがある国なのです。

さらには料理は全部カレー風味だし(食中毒いたし)、ずっと水のシャワーだったし、ベットにはノミがいました。

その上今回は初めての雑誌制作ということで、ほぼ毎日インタビューが入っていました。日本でインタビューするだけでも緊張するのに、インドで、慣れない英語で。

人生の中でもこれだけの不安・ストレスを7日間続けて感じたことはありませんでした。

で、でもまあそんなこと行く前から分かってたことなのになんで行ったのかというと、きっと普段の生活に刺激が欲しかったというありきたりな理由だった気がします。

でも、今回その思いはいい意味で裏切られました。

インタビューを重ねれば重ねるほど、彼らと一緒に過ごせば過ごすほど、そこにいるのは日本人と変わらない「普通の」人たちでした。

農村部の大学生も、工場で働く職員も、大企業で働くエリートだって、若干の価値観の違いこそあれ、確かにそこには日本人と変わらない普遍的な「人間」の像を垣間見たのです。

繰り返しますが、日本と正反対の環境を持ったインドで。

これからさらにグローバル化していく世界で生きて行く上で、この感覚を実感しているのとしていないのとは全然違うと思うのです。

そしてもう一つ。これはかなり個人的な発見ですが、どうやらこの世の中には聖人のような人が何人もいるみたいなのです。

空港まで往復8時間かけて迎えに来てくれて、さらには飛行機の遅れで2時間待たされたにも関わらず、嫌な顔一つせず出迎えてくれたジグ。

3日間いつも一緒にいたからか、別れる時に涙を浮かべてくれた少年スティワン。

インドでの宿全てを手配をしてくれた上に、ムンバイ市街地まで自ら3時間一緒に電車に乗って送ってくれたロバート。(次の日朝早いにも関わらず)

大手企業のvice presidentにも関わらず、日本から来たヘンテコリンなジャーナリストを笑顔で受け入れてくれたジシャーン。

前の晩ちょっと話しただけなのに、空港まで行けず途方に暮れていた私たちの横に彗星のごとく現れて、リクシャーを手配してくれたロッキー。

彼等の優しさに何度泣きそうになったか分かりません。

世の中はまだまだ捨てたもんじゃないし、日本に帰ったらもっと優しくなろうと、そんなことを考えることができました。

さて、結局インドはどうだったのか。答えは『THE WORLD YOUTH PRODUCTS』本誌へ続きます。

※注:今回の取材は一緒に行った二人が全てアレンジしてくれました。改めて心からの感謝を。