サイナテクノロジーズ株式会社吉仲さん

こんにちは。WYPの川口です。

先週の金曜日に、サイナテクノロジーズ株式会社代表の吉仲さんにお会いしてきました。

サイナテクノロジーズは、インドでのオフショア開発によってFlashアニメなどを制作している会社。

吉仲さんは元々は外資系証券会社に務め、その後インド大手財閥企業アディティアの日本代表を務めた経歴を持ちます。「印度deビジネス」というブログも書いており、まさにインドビジネスの専門家です。今回WYPでインドを特集するにあたり、「現場」の声を聞いてきました。

きっかけは、インドITクラブに出席したWYPメンバーの鈴木くんがアプローチしたこと。彼の行動力はさすがです。

インドの実状(インド人の働き方からベジタリアンの”本当の”割合まで)はもちろん、吉仲さんの今の仕事のお話、日本の企業が如何にグローバルスタンダードとずれているか、など有意義なお話を聞けました。
印象に残ったものをいくつか挙げます。

①まだまだ日本人の進出は少ない

数年前から日本でも次はインドだインドだと騒がれていましたが、吉仲さん曰く、まだまだインドに進出している日本人は少ないとのこと。

吉仲さん自身はインドビジネスを始めて6年目。6年目というとまだまだ最近な気がしますが、それでも多くの場合「専門家」として招かれるそう。
対して中国は既にかなりの日本人が進出しており、競争も激しいとのこと。
確かに大企業で考えても、インドに進出している企業よりも中国に進出、中国で生産している企業の方が圧倒的に多い印象があります。

ということで若者にとってはまだまだこれからの市場です、インド。
また、インド企業が日本に進出してくるかというと、ほとんどないだろうとのことです。
やはり日本企業はまず「英語を使わない」。

また、企業間の関係もその他の国に比べるとかなり「ウェット」。
ドライな関係を持とうとするインド企業との間に齟齬が生まれやすいようです。

しかし、世界基準で見ればずれているのは日本企業の方。

日本企業にいるとつい忘れがちですが、日本は特殊だということは常に意識しておくべきだと実感しました。

②インド人から見ると日本人は”クール”

吉仲さんが何人ものインド人に会って感じたことは、「インド人はやはり親日」だそうです。

日本人が欧米人に対して感じる憧れのようなものをインド人は日本人に抱いているそう。
なんだか凄く想像しやすいですね。
その背景には、インドが独立した際に日本が一役買ったというのが関係してくるのではないかとのこと。

こういう所謂”背景”も、知ってからインドに行くのと知らないで行くのでは全然違うだろうなと思います。

③インド人から見た「インドの貧困」

ムンバイの空港のすぐそばには、世界でも有数のスラム街があるそう。(検索するとこんな記事がありました→http://cooper.ti-da.net/e2426857.html

吉仲さん曰く、そんなスラム街やそこにいる人々に対して、インド人は「見て見ぬふり」をしているように感じるとのことでした。もちろん、自分が一生懸命目の前の仕事をすることが最終的には貧困層を助けると考えているのです。

実にこの話は興味深かったです。

日本や先進国では盛んに「貧困をなくそう!」とキャンペーンをうたっています。しかし、それは当たり前ですが自らが裕福だから感じること。

当の本人たちにとっては、まずは自分たちが生きることが先であり、貧困層への気遣いは二の次なのです。それを先進国の人たちが「お金儲けばかり考えていてけしからん」というのはなんだか身勝手な考えに思います。(自分たちもつい最近まではそれが一番だったくせに。)

再来週から行くインド現地視察では、実際にインドの若者たちが、自分たちの国の発展、そして問題についていかに考えているかを取材していきたいと思います。

 

その他にもたくさんのお話を聞かせていただいたのですがとりあえずここまで。

やはり本を何冊も読むよりも、実際に本物を知っている人に話を聞くのが一番ですね。

これからもWYPを通してたくさんの人に会っていきたいと思います。

@shunkawaguchi